教員のマインドセットと生徒の変化
マインドセットの変化① ~教え導くから、生徒に任せて支援する~
八幡中学校の活動を特徴づけているのは「何でも生徒に決めさせる」という点です。生徒の自主性や主体性を大切にしていることについて、校長先生は、先の見通せない社会だからこそ、生徒たちを「主体的に思考する集団」にしたいのだと語られました。
生徒の主体性を重んじるからといって、自由放任という訳ではありません。生徒たちが新しいアイデアを考え、自分たちで実現させていく過程の中で、先生方は生徒が自分たちの力で進めていけるよう、生徒たちを信頼してサポート役として生徒に寄り添います。生徒に掛ける言葉も大きく変わりました。「どうしたの?」「何があったの?」「どうしたいの?」と常に、生徒が自分で考え自分で判断することを促す声掛けを増やすことで、生徒の主体性を育んでいます。
生徒主体の取り組みの1つに、11月に行われた「ルワンダ × 日本の中学生SDGs プロジェクト 2022」があります。有志生徒を募ったところ25名が希望し、「日本の紹介」「八幡中学校の紹介」「質問と英会話」の3チームに分かれて準備を行いました。短い準備期間の中で、各チームが協力し、効率よく活動していたそうです。
そして、11月10日の本番の日。進行は予定通りとはいきませんでしたが、トラブルがあっても臨機応変に対応する姿や、ルワンダの中学生の発表を温かく見守りながら聴いている姿に、生徒たちの人間的な成長を感じることができました。
↑有志生徒によって企画・運営されたルワンダの中学生との交流会
<生徒の声>
・ 普段では絶対できない体験ができてすごく良かったです。自分は英語が好きな方ですけど、(実際に使うのは)やっぱり難しいなと思いました。
・ 今回は有志生徒だけだったけど、いつか学校全員とかで、他の国の子たちや困っている国の人とかと関われたらいいなと思いました。
・ まだ14年間しか生きていないけど、今までの人生で最高の経験でした。
マインドセットの変化② ~先生も生徒と一緒に学んで行けば良い~
ICTの活用について、スタート時は先生よりも生徒の方がスマートに使う状況に、多くの先生方が気後れしてしまうこともありました。それでも、「今は完璧にできなくても生徒のために少しずつ変えていけば良いじゃないか」と、先生もICTの活用実績を生徒と一緒に日々積み上げてきました。
現在、生徒はタスクやスケジュール管理をタブレットで行っており、先生方はその入力内容を確認してよりきめ細かな指導・支援を行っているとのことです。
<校長先生より>
1年間を通して生徒主体のICT活用に取り組んできたことから、最近では生徒がより良いICT活用を考えることが増えてきたと感じています。例えば、ICTが導入されてからは、生徒がチャットを用いて担当の先生や私とスムーズにコミュニケーションを取り、様々な取り組みをスピーディーに進めることが増えてきています。生徒たちの取り組みは、成功することも失敗することもありますが、失敗することも含めて良い経験だと考えており、在学中に多くのチャレンジを積み重ねていって欲しいと思います。