NAGOYO School Innovation

名古屋市立八幡中学校

活動の記録

ICTの積極的活用と子ども主体の学校づくり

2022.11.30

 八幡中学校では、生徒の出欠席確認や朝の健康観察は、タブレットに導入されたアプリケーションを使って行っています。生徒は登校と同時に家で測ってきた体温をタブレットに入力します。また、保護者の方は、アプリを使って欠席連絡を学校に伝えています。朝の忙しい時間帯に学校にわざわざ電話をする必要がなく、前日の夜でも入力が可能なことや、連絡事項も入れられることから、保護者の方の利便性が大きく向上するだけでなく、先生方も、全校生徒の出欠席状況や体調情報を短時間に事細かに把握することが可能になり、書き込まれた欠席の理由を基に生徒一人一人へ細やかな対応もできるようになりました。
 
 生徒が一人一台のタブレットを持つようになったことも、生徒主体の企画がより多く生まれることにつながっています。自分達で学校生活をより楽しく充実したものにしたいという願いから「こんなことはできないだろうか?」「新しくこんな行事をやってみたい」というアイデアを校内で発信して、共感する仲間を募り、先生に何度も相談し、時には外部の協力者や企業の方に相談したり、学年や全校を対象にアンケートを取ったりしました。こうした活動の全てでタブレットが大活躍したそうです。

地域の方々からクリスマスリースのつくり方を教えてもらう様子(生徒が企画)

↑地域の方々からクリスマスリースのつくり方を教えてもらう様子(生徒が企画)

 先生の役割は時代と共に変わりつつあります。学校の規則から外れた生徒への指導に注力するのではなく、生徒一人一人の考えを尊重しながら、主体的に物事と向き合う生徒に寄り添うことが大切です。八幡中学校では、生徒が様々なことを自分達で決めていく経験を積み重ねることで、将来的に自分で考え責任をもって行動できる大人になれることを目指しています。こうした取組を加速させるツールの一つがタブレットであり、タブレットの活用と共に生徒の活動の充実が比例している印象を受けました。

 ICTの活用は先生方の日々の煩雑な仕事の効率化だけではなく、生徒の主体性の豊かな伸長にも大きく貢献していることが八幡中学校の実践から伺われます。今後も社会や生活の中でICTがより飛躍的に浸透するのと同じように、これまでの教育活動の形式に捉われることなく、子ども主体のアイデアあふれるICT活用や学校づくりの取組が多くの学校でより一層充実することが期待されます。