公開授業の様子
11月29日(水)に山吹小学校で公開授業が行われました。子どもたちが自立した学び手となることを目指す「YST(山吹セレクトタイム)」や多様な他者とともに協働していくために必要な力を育む「ふれあい活動」など、特色ある実践は名古屋市内外から高い評価と多くの注目を集めています。この日の公開授業も定員をはるかに超える約300人の方が参観され熱気が溢れる公開授業となりました。
YSTの授業公開では、1、2年生は算数、3年生以上は国語、社会、算数、理科の複数教科を子どもたちが選択して取り組む様子を見ることができました。今年度のYSTの取組では、「進んで学習に取り組めている」と多くの子どもたちが満足感を得られている一方で、教科の目標に対する振り返りの浅い子がいることや、友達と一緒に取り組むものの自分のペースで学習が進められていない子がいることから、単元の導入で行う「インストラクション」に重点をおくことに力を入れています。
5年生のクラスでは「YAP(山吹アドベンチャープログラム)」とサークル対話の様子を見ることができました。YAPではクラス全員で楽しく色々なゲームをすることで互いの理解を深め、より良い関係性を築くことを目的としています。この日の授業公開においても、ゲームをする中で自然にサークル対話の状況が生まれ、互いに顔を見合わせて自分の意見をしっかりと話すことができていました。また、仲間の意見に耳を傾け自分の考えを広めることをお互いが大事にしている様子が感じられました。
全体会では参加者の方が所属する学校の現時点の課題の一つとして、教職員の意識改革をどう進めるのかが挙げられました。山吹小学校では、夢中になって目を輝かせる子どもたちの姿が広まることで、保護者理解も深まり先生方のモチベーションにつながっているとのことでした。「できる先生からやる、できる教科からやる、できる学級からやる」というスタンスで進めていく中で年々データが蓄積され、時間的な負担は減ってきたそうです。
参観した先生からは「先生が一人ひとりの進度を把握して個に応じたアドバイスをきめ細やかにされていることに驚きました。子どもの学びの伴走者になるという言葉の意味が先生の支援される姿をみてよく分かりました」「子どもたちがお互いを尊重し合って話ができるサークル対話の取組が素晴らしいと思いました。YSTとYAPの両方あって、のびのびとした姿が生まれるのだなと思いました」「教室や廊下に貼ってある掲示物を見て、学び方が意識できるものや学び方を選択するヒントがあり、次の学びに生かしていこうという子どもの意欲をこうして生み出せているということが参考になりました」という声が聞かれました。