文部科学省事業現職教育の様子
『クラス会議』による心理的に安全なコミュニティづくり
全ての子どもたちが互いに尊重される学級経営の在り方について学ぶ現職教育研修を、5月18日に行いました。
山吹小学校では、仲間づくりや価値観の共有を目的とする遊び(アクティビティ)を行うYAP (山吹アドベンチャープログラム)に取り組んでいます。今回の研修は、取組の意義を再確認することと、新しく赴任された先生方にYAPのねらいを共有することを目的として行いました。
講師には、御自身も教員経験があり『クラス会議』を通して学級づくりを行う実践などの著書を多数執筆されている深見太一先生(愛知教育大学非常勤講師)をお招きしました。一人一人がポジティブな状態を作り出したり、互いが仲良く心理的な安全性が保たれる関係性などを生み出したりする『クラス会議』の例として、「ハッピーサンキューナイス」「褒めてもらいたいことを褒めてもらう」などのワークを、実際にグループに分かれて行いました。
「昔は共通の話題(テレビやゲーム)があって自然に会話が成り立ったが、今の子どもたちは選択肢が多い分、共通の話題が生まれにくく、友だちとコミュニケーションに苦手意識を持つ子は少なくない。『クラス会議』を意図的に位置付けることでお互いを改めて知る機会が生まれ、つながりが生まれやすくなる」「毎週『クラス会議』を行い、子どもたちをつないであげることで、自己開示ができ、お互いの壁も取り除かれていく」「『クラス会議』を重ねて、お互いの人間関係が生まれることで、子どもたちの中でのトラブルが減る。さらに子どもが自主的に話し合いを行って主体的に問題解決できるようになることにもつながる」等、深見先生のお話を、実際にワークを通して楽しく体感し納得することができる、充実した時間となりました。
また、『クラス会議』の導入により、子どもがいきいきと活躍できる学級経営が実現するとともに、トラブルが減ることで余分な労力を割く時間も減り、教員の働き方改革につながるという深見先生のお話は、多忙感に日々悩まされる現職の先生方にも心強い助言となりました。
『クラス会議』について研修を受ける教員の様子
新しく赴任された先生の感想を紹介します。
2年生担任の先生
「実際に『クラス会議』を体験して、私自身も自分の想いを他の先生方に聞いていただく機会になって嬉しかったですし、心地の良い時間でした。2年生の子たちにも、 2年生の子なりの思いや悩みがあると思うので、ぜひこの『クラス会議』を取り入れてみたいと思いました」
3年生担任の先生
「自分の話をする時に、正直うまく話せずに困ったこともありました。ただ、話を聞いていただいてアドバイスをもらうことで安心できました。特に、自分のためにみなさんが時間を使って親身になって考えていただける時間というのはありがたいなと感じました。この気持ちを子どもたちにも味わってもらいたいので、クラスでも取り入れてみたいと思いました」