先生インタビュー「YST(山吹セレクトタイム)の取組」
先生インタビュー「YST(山吹セレクトタイム)の取組」
今年度の山吹小学校の公開授業では多くの先生方に参観いただき、子どもたちが主体的に学ぶ姿を見ていただきました。公開授業に限ることなく子どもたちと先生方は日常的にYSTに取り組み続けています。今回は、新しい学校づくり推進室の岩本指導主事が、A先生(1年生担任)とB先生(4年生担任)に、それぞれの取組状況についてインタビューを行いましたので紹介します。
●今年1年間のYSTの取り組みを振り返っていかがでしたか?
A先生
1年生は、小学校に入ったばかりの子どもたちは先入観のない状況だったので、スタートしやすかったです。自分でやりたいことを決めてできるという学習環境が整っているので、子どもたちはのびのびと取り組んでいました。
1年生は算数と国語の2教科ということで、他の学年に比べて、取り組みの幅は狭いのですが、課題に取り組む順番や内容を自分で決めたり、次の取り組みを自分で考えたりと自分の学びを自分で決めています。実際に、「自分で決めてできたよ」「今日はYSTやるの?」と、楽しみにしている声を多く聞きます。「自分で決めて取り組める」というYSTの良さが1年生でも十分に生かされていると思います。
B先生
今までの授業の進め方では、課題を早く終えた子が他の子が課題を終えるのをただ待つような場面がどうしてもありました。YSTの取り組みでは、早く課題を終えた子は自分で設定した次の課題に取り組むことができます。例えば社会の時間には地理が好きな子は日本の地理について調べ、まとめてレポートを作ったり掲示物を作ったりしていました。さらにその成果を活かしたいと、係活動の時にクイズを作って発表する姿も見られました。このように、YSTではそれぞれの子どもが学びに前向きに取り組むことができるので、学びが広がったり深まったりするようなことが多いと思います。
●YSTの取り組みで工夫されていることを教えていただけますか?
A先生
最近「この課題を単元の終わりまでに、どこでもいいからやってね」という課題を作ってみました。すると、時間がある時に「今日は時間があるからやってみよう」とか、単元の中盤になって「そろそろやらないといけないな」というような姿が見られて、見通しを持ちながら課題に取り組むことができる力がついてきたと感じています。1年生には見通しをもたせることは難しいと思っていましたが、少しずつ理解し、一人一人がのびのびと楽しく取り組めています。2年生ではさらに多くの教科で取り組めるようになるのではないかと楽しみです。
B先生
学習に対して積極性が見られない児童や苦手意識があるような児童に対しては、一緒にどの課題から取り組むかを考えるようにしています。例えば、算数の授業で、「どの問題ならできそうかな?」「できそうな問題に先に〇をつけてみよう」など、「何を学ぶのか」といった見通しをもって取り組めるようにすると、「じゃあやってみる」と言って、自分のペースで問題を解き始める姿が見られるようになりました。それぞれの学力に合わせた学びが進められ、どの子どもも前向きに学習に向き合えるのがYSTの良さだと実感しています。
●今後、どんなことに取り組もうと考えていますか?
A先生
友達と一緒に頑張るはずが、いつの間にか怠けてしまうような姿が見られることもあります。そのような時は、取り組み方について子どもたちと一緒に振り返り、改善できる力を付けていきたいと考えています。一方で、自分たちで見通しをもつ力は付いてきているので、教科をミックスした取り組みや自分たちで時間割を組んでみるようなことをしたいと考えています。
B先生
今年から、一人で課題に取り組むだけではなく「困ったら誰かに聞いてみよう」と、グループや周りの友達と協力してやる場面を意図的に設定しました。そうすると、子どもたちが安心して取り組めるようになったと感じたので、来年度は4月からグループでYSTに取り組み、安心して学べる環境づくりにつなげたいと考えています。
インタビューの様子