学びのコントローラを勇気をもって子どもに渡す
公開授業が行われました
令和4年度最初の公開授業が行われました。名古屋市内教諭約80名、市外その他から約70名が集まり、矢田小学校の取り組みへの関心の高さが伺われました。
公開授業の前に体育館で行われた全体会では、今年新しく着任された藤谷校長先生が今年度の教育方針の説明をされました。矢田小学校では「自分で考え、人と学び、わくわくしながら進めよう!」を年度目標のひとつに掲げています。その目標を実現するための取り組みの柱は「探究的な学び(PBL)を重視した総合的な学習・生活科」と「プロジェクト型学習の要素を効果的に取り入れた教科学習」の二つです。この二つの柱のそれぞれについて、「プロジェクト化」「個別化」「協働化」の三つの視点から児童が主体的に学ぶしかけづくりを進めていきます。
↑ 授業見学前に、矢田小学校の取組の背景を知る
学びのコントローラを勇気をもって子どもに渡す
着任してまだ2か月の藤谷校長先生は「矢田小学校の子ども達の姿は私が知っている子ども達の姿と違う」という驚きを感じています。ある時、お休みされた先生に代わって国語の授業をすることになった時のことです。校長先生は長いキャリアもあり(おそらく久しぶりに教壇に立てるという喜びもあり)自信をもって授業をされたそうです。ピンチヒッターの校長先生の授業に対し子ども達は、指示通りに読み取りを行い、発表も元気に活発にできました。それでも校長先生は「なにか子どもの様子がおかしいな」と違和感を覚えたそうです。
次の時間、校長先生は思い切って自分のやり慣れた一斉授業スタイルをやめました。若い先生にロイロノートの使い方を教わり、「学びのコントローラを子どもに渡す」授業スタイルに変更したのです。子ども達の姿は劇的に変わりました。同じところに着目している子ども達が集まり話し合う姿やお互いのタブレットを見せ合いながら交流する姿が教室中に広がったのです。
校長先生はこの体験の中から、矢田小学校の3年間の取り組みの中で子ども達が自ら学ぶ力を確実に身に付けていることを実感したそうです。そして、先生方の日々の取り組みが間違いなく成果として積み重ねられていることを確信できたと言います。
↑ 矢田小学校での子ども達の学びの姿を語る校長先生
3年生公開授業 PBLを重視した学習
3年生の生活科の授業を写真で振り返りながら「どんな力を身に付けたのか」を交流しました。先生が写真を切り替えるたびに「遊ぶ力!」「みんなで進める力!」「考える力!」と口々に元気よく声が上がりました。
「では、3年生ではどんな力を身に付けたい?」という先生の問いに対し、子ども達はタブレットにそれぞれの考えを入力していきます。3年生にしてすでにタブレットを活用した学びの基本を身に付けている姿が見られました。
子ども達は、2年生の一年間を通して様々な力が身に付いていることを大きな自信として捉え、3年生の学びへワクワクする気持ちを駆り立てられているようでした。
↑ 子ども達同士で相談しながら、自分の考えをタブレットへ入力
2年生公開授業 プロジェクト型学習の要素を取り入れた教科学習
授業は多目的ルームで行われました。多目的ルームには廊下をはさんで図書室が隣接しています。「動物クイズをつくろう」という学習活動の中で同じような進め方をする子ども達がグループをつくり、必要に応じて図書室に行って本を探すなど、学習環境を最大限に生かした思い思いの学びの進め方が見られました。
子ども達は手慣れた様子で文字入力を行い必要な写真を撮影するなど、タブレットの活用はお手の物という様子。中には紙に鉛筆で文章を書くグループもいて学び方まで自由選択ということが当たり前に根付いている学びの時間でした。
2年生ですでに学び方が身に付いている子ども達は、お互いの学び方や考え方を尊重する姿勢も大切にしていました。
↑ タブレットを使ったり、紙に書いたり、それぞれの子ども達が思い思いに学ぶ