NAGOYO School Innovation

名古屋市立矢田小学校・名古屋市立砂田橋小学校・名古屋市立矢田中学校

活動の記録

矢田中学校 総合的な学習の時間におけるプロジェクト型学習

2023.06.09

 6月9日にプロジェクト型学習を取り入れた総合的な学習の時間の公開授業が行われました。矢田中学校では、1年生は「より良い街づくり」、2年生は「SDGs」、特別支援学級は「自分らしく生きる」をテーマに取り組んでいます。「中学生だからこそできる社会の一員としての活躍を意識しよう」というメッセージと共に始まった今年度は、インターネットや書籍で調べるだけでなく、現地調査を実施したり、あらかじめプロジェクト終了までの時間数と外に出て活動したりできる日にちを伝えるなど、一人一人の生徒が課題を自分事としてとらえ、プロジェクトに取り組めるように工夫をしました。

 1年生の公開授業は、お互いの設定した課題を共有し、プロジェクトを立ち上げるための課題を広げる場面でした。これまで「より良い街づくり~みんなが幸せに過ごせる矢田学区~」を実現するために、学区内の誇れる良い場所や課題のある変えたい場所を現地調査も行いながらまとめました。
 この日はテーマごとに教室に分かれ交流を行いました。各クラスの福祉担当の生徒は福祉の教室に、交通担当の生徒は交通の教室にという形で、テーマごとに教室に分かれて交流しました。実際にクラスの枠を飛び越え、同じテーマの仲間と交流することで、生徒たちは互いに新たな気付きが得られたようで、身振りや手振りを交えて活発に意見交換をする姿や、仲間の考えにうなずきながら真剣にメモをとる姿などが多く見られました。
 
 2年生の公開授業は、他者へのプレゼンテーションを通して、一人一人が決定した課題を練り上げる場面でした。本年度のテーマは「SDGs~中学生の自分だからこそできること~」です。例えば地震のニュースから災害時に被害を少なくできるような安全な街について探究したいと考えた生徒は、SDGsの「安全な水とトイレを世界中に」という目標に注目し、緊急時の水の供給源の確保や、過去の災害時に水の供給等で困ったことはなかったのかなどについて調べました。
 この日のプレゼンテーションでは、自分が選んだ課題と選んだ理由や選ぶに至った背景にあること、さらに今後のプロジェクトの進め方やSDGsの目標との関係性についてまとめたことを交流する時間でした。グループごとに順に発表を進める中で、「これって別のSDGsのテーマにもつながるね」「今の部分をもっと詳しく教えて」など、互いの考えを練り上げていく姿が見られました。質問やアドバイスをし合うことで新たな発見があったり、それまで悩んでいた部分の解決の糸口になったりしたようで、各グループが楽しそうに交流を進める姿が印象的でした。

 特別支援学級の公開授業は、一人一人が調べた取り組みたいプロジェクトを互いに発表し合うことで、学級全体で取り組むプロジェクトへと転換する場面でした。これまで「自分らしく生きる」をテーマに、一人一人が興味関心のある事柄から、取り組みたいプロジェクトをいくつも考えました。
 この日は、一人一人が考えた取り組みたいプロジェクトについて、互いに質問やアドバイスをし合う時間でした。発表に対する質問やアドバイスを繰り返す中で、それぞれのプロジェクトの魅力や課題に気付くことができたようで、楽しみながらも学級全員が「自分らしく生きる」ことができるようなプロジェクトへと転換していく姿が印象的でした。

2年生が他者へプレゼンテーションをする様子

2年生が他者へプレゼンテーションをする様子