矢田小学校公開授業(6年生におけるPBLの取組の様子)
「名古屋の観光名所を紹介したい」「名古屋飯の魅力を伝えたい」「名古屋城の魅力を発信したい」テーマに沿って分かれた小グループでの活動が進んでいます。テーマが違うだけでなく「低学年の子に遊んでもらう双六をつくる」「ポスターを作って商業施設で貼ってもらう」「キーホルダーを作って配る」など、設定された学びのゴールのアイデアもそれぞれ異なります。
「調べてからどうやって発信するのか考える」のではなく「ゴールを具体的に描いてからそれに向かって何をしていくのかを自分たちで考える」ことで、各時間の取り組み方が明確になり計画的に活動ができていることが、いきいきと迷いなく取り組む子どもたちの姿から見ることができます。
「私はこれを調べるから、そっちの調べをお願い」「調べてみたけど、これで良いか見てみて」と役割分担をして調べた内容を見比べ合う児童、「ちょっと質問させてもらっても良いですか?」と参観に訪れた他の学校の先生方に声を掛けて質問する児童の姿も見られました。
6年生では、学習進度表はタブレット上ではなく、いつも手元で確認できるようにと、紙のプリントを使用しています。児童間の学びの交流はロイロノートを使いこなし、自分自身の学びの足跡はプリントに記入するスタイルが定着していました。
グループを順番に回る先生も「この間の問題は解決できた?」「計画通りにグループで進められているね」と、グループやその子に適した声掛けを手短に行いながら、それぞれの進度の確認をしていました。
Q「何に取り組んでいますか?」
●児童へのインタビュー 1
低学年の子たちに名古屋のことを楽しんで知ってもらうために「すごろく」を作ることを考えました。同じようなことを考えている子がいたので、一緒にグループになって進めています。同じことを考えている子とグループになってアイデアを出し合うのがとても楽しいです。
●児童へのインタビュー 2
私たちは、(低学年の子たちに)動物園の動物に興味を持ってもらいたいのでクイズを考えています。タブレットで調べて、グループみんなで協力して問題を作っています。
●児童へのインタビュー 3
名古屋の魅力を伝えるための文章を考えています。文章を書くのが好きなので、どうすれば分かりやすく他の人にも読んでもらえる文章になるのかを考えることが楽しいです。
児童へのインタビューから、それぞれが目的をもって取り組んでいることが分かります。 「学びのコントローラーを子どもに渡す」という先生方のキーワードは、安心して自分自身のテーマと向き合いながら楽しそうに学ぶ子どもたちの姿に大いに表れていました。子どもたちが設定したゴールに到達できた時の達成感は、とても大きなものになるだろうと期待が膨らむ授業でした。
チーム内で役割分担し、それぞれが調べた内容をお互いに見せ合う様子
レゴブロックを活用して低学年向けの発表に工夫を加えるチーム
参観者に対して自分たちの取組を説明する様子
参観者に声を掛けて質問する様子