NAGOYO School Innovation

名古屋市立高等学校

活動の記録

生徒の学びが広がり、先生の教えたいという想いが広がる(富田高等学校)

2022.11.22

富田高校 11月22日(火)公開授業 研究協議会より
 
 富田高校では、10月に生徒一人につき一台のタブレットが導入されました。それと同時に各教科においてロイロノートの活用が始まりました。今回の公開授業では、7人の先生が公開授業を行い、授業後の研究協議会では「タブレットの活用は効果的であったか」「どのようにタブレットの活用は各高校で進められているのか」を議題にした研究協議会が行われました。
 ここでは、参観された先生方の発言を紹介します。自分自身の日々の授業実践に加え公開授業からヒントを得る機会になったことが分かります。研究協議会の中で、富田高校の先生が「生徒の学びが広がり、先生の教えたいという想いが広がることを願っている」というお話をされました。名古屋市の先生方の試行錯誤と情報共有が積み重ねられ、今後もより良い授業が増えていくことが楽しみでなりません。

「タブレットの活用は効果的であったか」

A先生(音楽)
 音楽の授業のみ見学しました。自分もロイロノートを使い始めたばかりなので、先生がどのように活用されているのか知りたかったからです。授業では、一人一人の作曲している譜面を画面で共有するだけでなく、大画面でも共有して見せていて分かりやすかったです。自分も取り入れたい提示方法でした。


B先生(情報)
 各教科でロイロノートが効果的に使われていると感じた。小さい問題になりますが、ログインでうまくいかないなどの設定のトラブルは発生していませんか?

<富田高校担当の先生の回答>
 本校では、ログインで困るトラブルは目立って起きていません。前回の共有のカードが書き込んだものが消せないなどはありましたが、パスワードやID忘れは端末に記憶させることで減らすことができました。


C先生(理科)
 問題演習の場面でどういう活用をするのか見たかったので参観させていただきました。
解説の時間を短縮するのが目的とのことですが、どこまで達成していますか?今回の授業では、実際どの場面が短縮できていたのでしょうか?

<富田高校担当の先生の回答>
ロイロノートを活用すると、パッと解説を生徒に送ることができるので、教師が黒板に解説を書く時間がまるまる無くなります。私は数学を担当しているのですが、数学は自分で解いてみないと力はつかないと考えています。授業時間は練習時間を多く取り、教えることで自分の中に学びが残ることをねらい、教えあうグループワークをさせています。イメージとして、教室の中に何人も先生が生まれるのですが、この手法は今回のタブレットの導入に関わらずやっていた。タブレットの導入で、指導が少し便利になった程度の感覚です。


D先生(英語)
 英語の授業を2クラス参観させていただきました。どちらの授業もグループワーク中心で、それまで準備してきたことの成果の発表の場面でした。この授業に至るまでの、先生の準備の状況はどうなのか聞いてみたいなと思いました。

(英語)ロイロノートを活用した英語ディベートの様子

↑(英語)ロイロノートを活用した英語ディベートの様子

「どのようにタブレットの活用は各高校で進められているのか」

E先生
 タブレットが導入されて、黒板に書いて長々と解説という授業スタイルから変化しました。教師自身にとっても「これでできるのだ」という意識改革が起こっていると実感しています。まだ手探りの状態ですので、この授業の進め方が正解なのか、今までの教え方が正解か、2年3年やってみないと分からないかなと思っています。


F先生
 ロイロノートの活用は、無理にして全部の科目を入れなくてもいいのかなと感じています。教科で進み方が違って当然なのではないかとも思います。昔ながらのたまたま当たった人の意見で授業が進んでいくような授業は少なくとも減るので、生徒が意欲的に取り組める授業になると思います。


G先生
科目によっての特性もあるので、今は色々と使っている段階です。ただ、今後も使い方については活用する頻度や活用方法に応じて考えていく必要はあると思います。現時点で、先生はWindowsで生徒はi-Padというズレもあり、教材づくりで面倒な面も出ているのも実情としてあります。


H先生
 グループディスカッションをその場限りにすることなく、その続きを、全体に広げたり個別指導につなげたりできるというのは大きな進化だと思います。これまでに、できそうでできなかったことがタブレットの活用で実現できたと感じています。
 
富田高校 ICT担当の先生
 授業研究サークルが数年前から先生の中で生まれていました。この授業のあり方を研究する取り組みがあったうえで、タブレットが入って来ました。授業をより良くするためにタブレットを活用する土壌があったと捉えています。学校内では、タブレットを無理に授業で使わなくてよいという共通認識を持っています。先生方にも強要はしないようにしています。自然にやっていったらいいのではと考えています。