NAGOYO School Innovation

「ナゴヤ学びのコンパス」の策定

活動の記録

第 3回検討会議

2022.11.22

概要

会議名  第 3回学びの方針策定に係る検討会議
開催日時 2022年11月22日(火曜日)午後 2時00分から午後 4時00分まで
開催場所 JPタワー名古屋37階(web会議と対面による会議を組み合わせた方式)

以下の内容について意見交換等を行いました。詳しくは、議事要旨、会議資料をご覧ください。

議題
〇子どもの声を聴くことについて(小学校、中学校、高等学校での対話集会)
〇「学びのコンパス(仮)」骨子(仮)に対する意見交換

ナゴヤ学びのコンパス概要版、内側イメージ

↑「ナゴヤ学びのコンパス」概要版内側のイメージ

ナゴヤ学びのコンパス概要版、外側イメージ

↑「ナゴヤ学びのコンパス」概要版外側のイメージ

議事要旨

1 開会挨拶
2 骨子への御意見を受けて
3 子どもの声を聴く(小学校、中学校、高等学校での対話集会)
4 「学びのコンパス(仮)」骨子(仮)に対する意見交換
 (1) 意見交換(骨子について、概要版と冊子の示し方について)
 (2) 「学びのコンパス(仮)」の名称
5 事務局からの連絡事項
6 閉会

<資料 >
資料1 第 3回検討会議に向けて
資料2 「ナゴヤ学びのコンパス(仮)」(概要版)
資料3 「ナゴヤ学びのコンパス(仮)」(冊子版)
資料4 今後のスケジュール

<議事進行>
1 開会挨拶
 苫野会長あいさつ

2 骨子への御意見を受けて
〇事務局 資料 1の説明(骨子 1、骨子 2、骨子 4の変更点)
 構成員から質疑なし

3 子どもの声を聴く(小学校、中学校、高等学校での対話集会)
〇事務局
 伊那市立伊那小学校、名古屋市立前津中学校、名古屋市立向陽高等学校の動画投影と説明

4 「学びのコンパス(仮)」骨子(仮)に対する意見交換
(1) 意見交換(骨子について、概要版と冊子の示し方について)
〇事務局 資料 2、資料 3の説明
〇荒瀬構成員
 骨子 3「夢中で探究する」の意味が誤解を受けるような面はないか懸念している。わき目もふらずやるというものではなく、俯瞰的に自分の行いをふり返るということも含めてふさわしいのか。指導にあたられる先生のご理解をどういうところで共有するのか考えておく必要がある。
 「じっくり」という言葉はどうか。
〇奈須構成員
 知識主義的になっている、知的にしっかり吟味する、立ち止まって考える、リフレクション、他者との関係を考えながら内省すると考えると、じっくりというのは勘所としてよい。探究に対して違うところの強調ができてよいと思う。
〇久野構成員
 子どもの声が聴けるはずである動画が大人の言葉になってしまい、それはどうなのか。
 教師向け概要版は、用語の説明が横についているのは物足りなく、子どもとなる土台感はもっとベーシックなルールにしてほしい。
〇苫野構成員
 今回は一旦のコンセンサスかと思う。最終的にはみんなが納得し、今日の決定が絶対ではないと思う。
〇久野構成員
 コンパスのどの部分を絞り込もうとしている議論なのかがわかりにくい。
〇苫野構成員
 骨子 2、骨子 4を中心に行う予定。
 「じっくり」は一旦候補に加える。
〇久野構成員
 骨子 3、重視したい学びの姿に違和感がある。「重視したい学び」で止めたらどうか。
〇苫野構成員
 「学び」でとめるか、姿とするかで考え、反対が無ければ案の候補に入れたい。
〇荒瀬構成員
 小学校から高等学校までまとめようとしていることに無理もあるのかなと思う。名古屋市の教育について考えるので、名古屋市の教育に関わっておられる方の声、子どもの声を大事にしたい。
〇久野構成員
 骨子 4は、大人が大切にしたいことなので、どの学校園でも大人が大切にしないといけないと思うのは、一定の学習規律を整える、挨拶ができる間柄、朗らかな関係を整えておくことが、全体の一番下にあると思う。
〇大川構成員
 今までそこが強く出過ぎて、型にはめようとしたこと、過度に重視してきたことの反省がベースにある。学習規律、挨拶の大前提は、大人も子どももお互いを尊重するという気持ちがあればよく、個人としては、骨子 4の三点のところでいきたいと考えていると思う。
〇安藤構成員
 保護者や地域の方々もコンパスを見るため、「大人」が大切にしたいという表現になっているものととらえた。子どもは有能な学び手という認識を持っていないと、「尊重」「チャレンジ」「伴走」とはならないと思う。
〇奈須構成員
 決まりは不都合だったら変わり、つくるものというふうに、生徒指導提要は変わったように思う。最大の問題は、決まりを変える決まりがなかったことであり、変える規定がないのは、決まりとして成立しない。これは日本の手抜かりの典型であり、国レベルでも言及し始めている。基本にあるのは、子どもがそういったことに参加できる存在であるかということ。
 有能な学び手と置かないと、規則を守らせなければという方向になる。子どもに考えさせ、決めさせれば、大人が考えていることを選択し、履行すると思う。これまでと違う筋道で実現させるためには、子どもは有能な学び手という言葉は必要だと思う。
〇久野構成員
 子どもは有能な学び手であることを指し示すページをつくってほしい。子ども観の土台であることを述べると分かりやすくなる。
〇奈須構成員
 Q&A で入れるとよいのではないか。市民の皆さんが疑念、不安に思われることは大事なので、これまでのものを否定するのではなく、学校教育自体は変わることではないことを入れられたらよいと思う。
〇三好構成員
 幼稚園では、挨拶やルール、決まりや時間を守るということを学級単位で学んでいる。社会性を身につける学びと、興味を持つことを同じ学びという言葉で表現するから難しいのではないか。探究することと、社会性を身につけることが、同じ「学び」という単語で混同しているのではないかと思う。
〇苫野構成員
 骨子 1は教育の最上位の目的で、様々な学びを通してここをめがけており、ここにつながらないような学びは学びとして価値がなく社会性と興味の学びは分ける必要がないと思う。
〇奈須構成員
 教科の学びが実社会の生き方につながることも考えたい。論理的に詰めていかないと気が済まなくなる、あいまいなものに立ち止まり、つじつまが合わないものを発見しておかしいものをおかしいと堂々と言えることは倫理観だと言われている。人間性、倫理観、情緒性が教科を学んだからこそ得られるという考え方がある。
 学習指導と生活指導を二分化してきたことで、勉強と毎日の暮らしが二重になってしまう。そういう意味では一本で考えてもいいと思う。国際的にも学びと暮らしが一体化するようになっている。
〇三好構成員
 子どもを幼稚園に行かせるのは、人との関わりの中で人として成長としてほしいという思いを込めているが、自分の子どもの意思をつぶすような一斉は望んでいないので、うまくそこを落としていけるとよいと思う。
〇河合構成員
 名古屋市で働く教職員がペーパーを見た時の思いを共有できたときにはじめてコンパスがいきてくると思う。
 一枚に凝縮させるのは難しいが、伴走するのはどういうイメージか、どういうのが理想か、会議に参加していない方の視点も重要としていただけるとよいと思う。
〇大川構成員
 これまで市教育委員会は計画、目標を出してきたが、市教育委員会が示したものをどう解釈すればよいかということに主眼がいってしまう。
 用語等を分かりやすくするのは大事だが、ハウツーものになってしまうのは本意ではないので、これをもとに対話をし、どういう風に子どもをとらえてどういう風にしていくのか議論してほしい。
〇髙橋構成員
 骨子 4で、子どもと共に大人も学ぶというニュアンスを入れると、保護者の理解も得られると思う。
〇苫野構成員
 「子どもと学ぶ」、「子どもと対話する」も案とする。
〇加藤構成員
 骨子 3、自由進度学習とするとイメージがつきにくく、校種によっては難しさがある。
 子どもへ配布し対話を進める際、なぜこれが必要か、作成の意図を伝えないと議論が進まないのではないか、学校でそこまでやる時間があるのか。
〇事務局
 冊子では自由進度という言葉を入れていない。高等学校の先生からすると難しいのであれば、議論するべき言葉かと思う。
〇苫野構成員
 加藤先生の 2つ目は今後検討したい。
  3つ目は、この時間なくして学びを豊かにするものはなく、こういった場を意図的に設けていきたいという趣旨である。
 枠外の補足説明は追々言葉を検討していければと思う。
 リード文の、「幼稚園から高等学校まで」という言い方では、特別支援学校のイメージがしにくいので、「幼児期から青年期」としてはどうか。
〇平松構成員
 私立保育園の方も一緒に進めていけたらと思うので、幼稚園より幼児期からがよいと思う。
〇苫野構成員
 一旦、「幼児期から青年期」とする。
〇奈須構成員
 「学習者」という表現がひっかかり議論になってよいとは思うが、気になる。
〇事務局
 学習者と書いたのは、子どもだけでなく、大人も含めてという意味だが、「幼稚園から青年期」と書くことでねじれたところが出てくる。「子ども」、「すべての人」と書いてもよいと思う。
〇奈須構成員
 骨子 2で「未来社会の市民」と出てくるが、自分らしく幸せに生きていくのは、幼児期から高校までなのか、自由な市民なのかよくわからない。
〇苫野構成員
 一旦、「すべての人」で進める。
〇久野構成員
 概要版と冊子の示し方について、リード文の学習者のところは「子ども」になってくるのではないかと思う。冊子の策定趣旨と矛盾しないようにする必要があるのではないか。
〇事務局
 目次の構成の検討をしていきたいので、策定趣旨の言葉は事務局なりに考えて書いたが、今後詰めていく内容になり、確定しているものはない。
〇苫野構成員
 目次に異論はなければ、Q&A を加えることとする。
(2)「学びのコンパス(仮)」の名称
〇事務局
 名称を「ナゴヤ学びのコンパス」と提案する。
〇奈須構成員
 名称の趣旨を確認したい。
〇事務局
 教育委員会が上から降ろすものではなく、羅針盤として、教育現場の皆と対話を図りながら進めるという思いを込めてコンパスとした。ラーニングコンパスと被ってとらえられないかという懸念はあった。これまでもカタカナの言葉があり、それと被らないように考えたが、ラーニングコンパスまでを考えてつくったものではない。
〇苫野構成員
 異論がないので、名称は「ナゴヤ学びのコンパス」で確定とする。

5 事務局からの連絡事項
 次回検討会議の時期および内容等について伝達

6 閉会
 以上

ナゴヤ学びのコンパス概要版と冊子版を作成予定

↑「ナゴヤ学びのコンパス」の概要版と冊子版を作成予定