NAGOYO School Innovation

「ナゴヤ学びのコンパス」の策定

活動の記録

第 2回検討会議

2022.10.11

概要

会議名  第 2回学びの方針策定に係る検討会議
開催日時 2022年10月11日(火曜日)午後 2時00分から午後 4時00分まで
開催場所 JPタワー名古屋37階(web会議と対面による会議を組み合わせた方式)

以下の内容について意見交換等を行いました。詳しくは、議事要旨、会議資料をご覧ください。

議題
〇「学びのコンパス(仮)」骨子(仮)に対する意見交換

ナゴヤ学びのコンパス(仮)骨子
ナゴヤ学びのコンパス(仮)骨子 文章のみ記載

議事要旨

1 開会挨拶
2 第 1回検討会議で出された御意見について
3 動画視聴(子ども主体の学びの姿の一例)
4 「 学びのコンパス (仮)」の骨子に対する意見交換
 (1) 第 1回検討会議後の骨子の変遷について
 (2) 意見交換
5 事務局からの連絡事項
6 閉会

<資料>
資料1 第 1回検討会議資料の修正版
資料2 「学びのコンパス(仮)」の骨子(仮)
資料3 今後のスケジュール

<議事進行>
1 開会挨拶
 苫野会長あいさつ

2 第 1回検討会議で出された御意見について
〇事務局 資料 1について説明
〇荒瀬構成員
 同調圧力、正解主義を削除した経緯を聞きたい。
〇事務局
 日本型学校教育の良さを受け継ぎ更に発展させるという考え方を元にスタートさせたいと考えるにあたり、同調圧力、正解主義をバツという表現で全て否定するということは言い過ぎではないかということ、過去の学校教育を否定してしまうとも捉えられる可能性もあるため削除した 。
〇荒瀬構成員
 3 ページの「個別最適な学び」と「協働的な学び」について、番号をつけて別のものにすることをやめたところがよい。
 「個別最適な学び」が浸透していないため指導の個別化で止まってしまっているが、子ども本人の興味関心に基づいた学びについて子ども自身が気づいて行い、それをどう学校が支えるかという学習の個性化が学校教育に求められる点なので、「個別最適な学び」の説明があることはありがたい。
 正解主義、同調圧力は学習の個性化と相容れないと考えているので、後ほど話し合いができれば良く、正解主義、同調圧力を文言として載せるか載せないかのこだわりはない。
〇大川構成員
 正解主義、同調圧力の表現は荒瀬構成員の理解のとおりである。バツという表現はメッセージ力が強く、現状の日本型教育の完全な否定と捉えられる誤解を招くため削除した。前提として今までの教育に立って進めるべきという認識はある。
〇竹内構成員
 文言はなくてもよいと思う。学校の先生方に伝わる時に、これまでの同調圧力がどのような問題を起こしてきたか、今の子どもたちにどのような影響を与えているか、正解主義の影響について伝わるような形にしてほしい。
〇久野構成員
 子どもの声を聞きたい、対話集会を計画したいということだが、我々大人がとことん議論するほど厄介な課題について、子どもたちに安易に投げかけるのは難しいと思う。
 子どもは自分が学んでいる環境の中で、精いっぱい活動している。安易に検証されていない活動を投げかけるのは大人として無責任な側面もある。このやり方なら十分成果がでるであろうというやり方で学んで、この教育はすばらしいということを感じている子どもたちは、この教育がいいということを前提に意見をもらえるが、あれがいいか、これがいいかの選択的な予備知識や発想はないと思う。子どもの声を聞くという行為自体は悪いものではなく、当事者である子どもの感覚を尊重するのはすばらしいが、子どもから何を聞き取るのかという視点を十分議論した上で、対話集会、アンケートをとる必要がある。
〇三好構成員
 親子へ問いかけることはできないか。子ども自身だけでは分からなくても、親は子どもにこういう風に学んでほしいという思いがある。できれば学校を選びたいという思いがある中で義務教育の学区だからという理由で行かせている場合もあり、義務教育はこうあってほしいという熱い思いがたくさんあると思うため、親子に問いかける機会があるのも面白いと思う。
〇事務局
 子どもが主人公となって学びを進めることに対してどのように考えているか、また、動画も使いながら実際に学んでいる様子を子どもたちに見てもらい、今後の名古屋の学びは自分たちが主役となるような学びを求めているのか、どのような学びを求めているのか、子ども目線の意見を話し合いの中から引き出したいと考えている。
〇苫野構成員
 大前提として子どもの権利条約、子ども基本法があり、子どもの意見表明権が明記されているので、当事者である子どもたちの声を聞かずに、学びのあり方、学校の在り方を上意下達で進めて行くことは原則的にあり得ない、子どもの声を聞くということの重要性は改めて共有化したい。
 どういういう風に、どのような対話をすればということはとても重要なので、他にも意見があればお聞きしたい。特に今すぐになければ、事務局等または個別に委員と議論しながら進める。方針はこのまま進める。
 自分たちの学校、自分たちの学びは自分たちでつくる、市民がつくり上げていくというこの基本に立ち返って、決してこの検討委員会で上意下達により行うのではなく、市民と共につくっている点を大事にしたい。

3 動画視聴(子ども主体の学びの姿の一例)
〇事務局 動画投影

4 「 学びのコンパス (仮)」の骨子に対する意見交換
 (1) 第 1回検討会議後の骨子の変遷について
 (2) 意見交換
〇事務局 資料 2について説明
〇事務局
 投影した名古屋市立山吹小学校の動画は、この骨子3の重視したい学びの姿の中でも、特に自分にあったペースや方法で学ぶということを意識して見ていただきたい動画ということで編集した。
 伊那市立伊那小学校の動画は夢中で探究する、探究的な学びとして意識して見ていただきたい動画である。 2つの動画の中から骨子 1、骨子 2に関して見受けられる姿があったと思うため、先ほどの動画を振り返りながら、骨子 1から骨子 4を検討いただきたい。
〇三好構成員
 動画を見て感動した。名古屋市立幼稚園と類似する部分がある。名古屋市立山吹小学校での自分で学んでいる姿は、幼稚園において今日何して遊ぼうかなと子どもたちが自分で選んでいる姿と似ていて、活き活きと感じられた。伊那市立伊那小学校は、子どもたちがどうやって小屋をつくろうかということを先生と話して決めているところがよい。幼稚園もこういう遊びをしたい、こういうものをつくりたいという時に先生がアイデアを出してその中で一緒につくり上げてくところが似ていて、それが新しい学びのヒントになると感じた。
〇苫野構成員
 個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実、探究のいろいろな例があるが、一つのイメージを共有しないと、今後、共通の言葉をもって議論することが難しいと考えイメージを共有したという思いだったのではないかと思っている。
〇荒瀬構成員
 学びのコンパス(仮)の全体像であるが、リード文が具体的であるのと比較して、骨子 1から骨子 4に進むほど具体的ではない。骨子 1は目指したい未来社会の市民ということであれば、学校教育だけの話ではなく、オール名古屋で検討していくことが必要となるのではないか。骨子 2の「まわりとゆるやかにつながり」の「ゆるやかに」はいい言葉ではあるがどのようなイメージがあるのか。骨子 3は子どもの姿という理解である。骨子 4は学びの姿を実現するために教師、学校、教育委員会がどのようにすべきかという理解であるが、全体像を教えてほしい。
〇苫野構成員
 骨子は全体を見直すということがあってもよいと思う。わかりにくさがないようにできるだけ明快な形がよい。
〇事務局
 骨子 1の役割は、そもそも教育が何のための教育か共通理解を図るため、名古屋市の学校教育に携わる教職員、子どもも含めて理解してほしいところを骨子 1として設定した。未来社会の市民ということであるので、オール名古屋市で取り組むべきではあるが、学校教育を通じて目指したい未来社会の市民ということであるので、あくまでも学校教育を通じて目指せる姿として掲げたい。また、学びの方針に関しては、今年度、来年度と一年半かけて作成させてもらうものであるが、ここで作成した学びの方針については、教育振興基本計画の中で、学びの方針の中心として位置づけていきたいものと考えている。オール名古屋市とはならなくても多くの方の意見を取り入れて、オール名古屋市の一番目指すべき教育の目的と掲げていきたいとは考えている。
 各学校園でどんな子どもの姿が見られれば、骨子 1で目指すような市民につながるのかということを、骨子 2から骨子 4へ下りるに従って、具体的な姿として書いている。
 多くの先生方は子どもの姿を目指すための方法を知りたくなると考え、一例ではあるが、重視したい学びとして骨子 3を示している。
 骨子 4については、骨子 3のような学びを進めて行くうえで、教師、子どもも含めて骨子 4で書いてあるようなことがまず前提として成立していないと、どのような学び、どのような方法を選択してもうまくいかないという考えから、幼稚園から高校まで一貫して大切にしたいことを事務局案として提案した。
〇荒瀬構成員
 こういったことを目指していく際に、現状がどうなのかという認識がある。現状認識に立った上で、この部分はそのまま伸ばして行きたい、ここの部分は乗り越えなければならない、改めた方がよいだろうということが、それぞれの骨子の場面であるかと思う。そこを詰めていくという話であれば、名古屋市の現状がどうかという分析を、一面的にならないよう可能な限りいろんな見方、よいところだけではなく、辛い、周りが気を付けなければならないことも含めて考えていかないと、綺麗な絵をかきましょうという話ではないため、そのあたりの現状分析を教えてほしい。具体に検討される際にそのようなことを常に考えてもらうことが重要である。
〇事務局
 現状把握が必要ではないかという意見に対して、今年度から全小中学校に骨子 3の学びを意識したようなアンケートをとっていて、現状で名古屋市が目指そうとしている学びを具体的に行っているかについて把握している。アンケートをしっかり分析しながら、学校園の負担になりすぎないように対話を重ねながら、どういうところを目指していけばいいかを一年半かけて皆が納得できるものをつくり上げていければよいと考えている。綺麗ごとだけで終わらず、辛い部分についても共有しながらいいものをつくり上げられるとよい。
〇苫野構成員
 この場では、骨子をメインに検討するが、骨子を考えるためにもそもそもの現状を知ることが必要である。骨子について皆さんで合意できたとして、但しそれは各現場の現状に合わせて色々なあり方があるため、この方法で皆統一してやりなさいというのではなく、あくまでもここで描くのは骨子ということを共有しておきたい。
〇髙橋構成員
 骨子 1から骨子 4があるが、骨子 2の「ゆるやかにつながる」という言葉に違和感を覚える。言おうとしていることは分かるが、それぞれ骨子 1から骨子 4にある、互いを尊重する、自分も他者も尊重するというワードが散りばめられているが、相手を尊重し自分も尊重するためには、より相手を知らないとしっかりとつながらないと他者を尊重することにならないと思うため、その部分で言葉選びが分かり辛いと感じる。
 子どもたちを受け入れるにあたって、保護者側も一緒に現在の子どもたちの学びをきちんと理解しながら行わないと、受け入れる側の社会にいる私たちと子どもたちとで大きな溝ができて、子どもたちの幸せにはつながらないと思う。骨子の中でそこが読み取れる内容だとよい。
〇髙橋構成員
 骨子 1の「名古屋市の学校教育を通じて目指したい未来社会の市民」が、「自分も他者も尊重する自由な市民」という一言で表現されているが、もう少し補足があってもよいと思う。
〇平松構成員
 自他を尊重するということは大事なことだし、それぞれの自由を尊重ということも大事である。動画では、自由の裏に責任がついてくることを子どもたちが自覚していたが、自由な市民という言葉だけで終わってしまう部分が中途半端であると思った。責任、社会の形成者、一人一人が社会の担い手であってほしいと思ったときに、自由な市民で終わってよいだろうか。
〇三好構成員
 自由という言葉は誰の何に対する自由なのかという説明がないと、わが子に自由だということを親として伝えられない。
〇苫野構成員
 近代社会の本質は全ての人が対等に自由な存在であるということを認め合うということをルールにした社会である。これを、自由の相互承認の原理というが、これは人類一万年の戦争を経て、人類がつかみ取った自由で平和に生きるための根本原理である。全ての人が自由に生きる、生きたいように生きられる、わがまま放題ではなく、他者の自由を認めると同時に、生きたいように生きられる、その力を育むことが学校教育の本質である。
 自由な市民というのは必ず条件付きの言葉である。他者の自由を認めるという責任を果たす限りにおいて我々は自由ということがお互いに認められている。その意味で責任が入っており、自由な市民というのは決してわがまま放題になんでもやっていいということではない。
 日本人は民主主義ということの原理の教育を受けていないため、なじみがなく、いきなり自由な市民という言葉がでてくると、少し戸惑うところはある。社会の担い手とか、自由な市民というところを社会の担い手という風に変えてもよいと思う。全員が社会の担い手、つくり手、責任もって社会を作れとやり過ぎるのは言い過ぎであると感じるため、議論をしたい点である。
〇苫野構成員
 あえて自由な市民という言葉がでてくることで、これほどにも市民社会が成熟したかという感想を持つ。このような言葉が普通に使えるような社会になりたいと思う。自由なという言葉が出たときに、わがまま放題ととるのではなく、他者の自由を承認できるといった、自由な市民、民主主義社会、市民社会の根幹が当たり前のようにすらりと流れていく言葉が紡がれるのも意義があることである。
〇奈須構成員
 自由という言葉が世俗的に誤解されて使われて、それがやっかいなことになっている。国の指導要領は難しいと言われるが、難しいのではなく、根っこの出発点が異なっている。国際的には自由は苫野先生がおっしゃるとおりの意味で使われているため、国や名古屋の世論や言葉の使い方を、時間をかけてずらしていくのが正当だと思う。そのためには戦略が必要で、まずは名古屋市教育委員会から学校の先生に具体の説明をし、具体的な姿と現場の先生方の語りを通して市民の皆様に理解いただくことで言葉と概念は成熟していく。
 わかりやすい言葉であらぬ誤解を生むのであれば、一番正当な言葉を使い続けて、その意味の社会的な認識をずらしていく努力をする方が得策である。 5年、10年と時間をかけて理解を得られることだと思うが、端的に自由と言ってそこに議論が起こって、自由というのはこういうことだとそれを詰めていくことが大事だと考える。
 「ゆるやかな」というのも独特の表現であるが、骨子 2にはゆるやかな協働に関する詳しい説明がある。現状学校では、「 5分でやってみよう」など協働でやることを先生が指示した結果の協働なので、一斉画一的に協働させているという点を変えたいのではないかと思う。一人一人が自由で自発的に仲間と関わりながら他者と相互に尊重しあっていくというのに「ゆるやかな」という表現が使われているのだろうという理解している。「ゆるやかな」という言葉一つをどのように説明するかではなく、自由とか自由の相互承認とか、民主主義とかという概念があって、「ゆるやかな」という表現があるのだと思う。そのため、今回は頑張って言葉を使って、分からないと言われても変えずに具体で説明する、実践を作り続けるなど議論し続けることで理解が進むということでよいと思う。
〇荒瀬構成員
 「ゆるやかな」という言葉はだめということではなく、とてもよいことだが難しいという意味である。骨子 2の「まわりとゆるやかにつながり、自律して学び続ける子」はひとくくりの言葉ではないかと思う。
 こういった言葉は教育のまとめの文章の中では出てこないため、非常に大事であると思う。使っていく中で次第に意味を共有していく、本来の意味に近づいていくということが社会全体の前進や発展につながっていると思う。名古屋市教育委員会として主体的に考えていただいて言葉を編んでいってほしい。
 骨子 3の部分も大変素敵な書きぶりであると思う。みんながみんな、夢中で探究することは、多分そう簡単には実現しないと思う。人によって学びのペース、学ぶ関心等が違っているのは当然の話で、それをつなぐのが多様な人と学び合うということで、自分と同じ学び方でなくても、その人の存在をちゃんと尊重できる、いろいろな人がいるのだよねというのがゆるやかなつながりになるのかもしれないが、それが骨子 3に描かれていて、とても大事なことだと思う。
 骨子 3が一つ姿としてあって、そのために骨子 4をどうするかを考えるため、骨子 3はよほどしっかりとしたものにしない限りは骨子 4が見えてこない、不十分になってしまうと思う。繰り返し、繰り返し、完成に向けて求め続けていくということがしっかりと盛り込めるといい。
〇加藤構成員
 骨子 2の「ゆるやかな協働性」の中で仲間から力を借りるということは説明があると分かるが、この言葉だけを読むと非常に理解が難しい。もう少し分かりやすい表現の方が、教員としてどういうことをしていけばいいのかといったイメージを持ちやすくなる。「ゆるやかに」ということに強いメッセージを込めていると思うので、そこは譲らずに掲げる中で説明していった方がよい。
〇桝田構成員
 譲らないものは、少し分かりにくくても皆の認識をそちらへ近付けていく努力の方が大きなことを行うには重要である。
〇大川構成員
 骨子 2の意図を読んで必要に応じて互いに力を貸したり借りたりするということが自律した前提でそういうことをすることが大事という意見に反論はない。
 「ゆるやかな協働」であれば腑に落ちるが、「ゆるやかにつながる」では、ゆるやかは緩む、ゆとりがあるという意味、つながるは結ばれる、お互いをしっかり結びつけるという意味であるため言葉そのものが相反するイメージを持つ。教員等が違和感を持つのはその点ではないか。全体を進める中でよい表現があればチューニングしていくことも重要である。
〇苫野構成員
 「ゆるやかな協働性に支えられながら自律して学び続ける子」とすると違和感はいかがか。
〇三好構成員
 幼稚園の子どもたちの生活を見ると、一日の始まりが非常にゆるやかである。そういう時間の流れや、制度も「ゆるやかに」含まれるのではないかと思う。
〇髙橋構成員
 「ゆるやかな協働性」という表現であれば分かる。この表現とうまくつながるのであれば伝わりやすい。
〇竹内構成員
 友人関係で悩んでいる子や、クラスで何か行う際に上手に立ちまわれない子もいるので、授業以外のところでもあてはまるような言葉があるとよいと思った。
〇苫野構成員
 骨子 2は授業以外のところも加味した「ゆるやかな協働性」という意味であると思っている。なぜ協力しない、力を合わせなさいというものではなく、お互いの自律を尊重しながら、ゆるやかに協働できる学校というのが望ましい。教育の本義という思いがある言葉である。
〇荒瀬構成員
 「ゆるやかな協働性」というのはとてもよい言葉である。
 子どもたちの視点では、「ゆるやかな協働性」で通じないことが考えられる。「ゆるやかにつながる」という言葉は大人には分かるが、子どもには支持を受ける可能性がある。つながるということは大事ではあるが、強固につながるということはしんどいと思う子どもたちはいるのではないか。「ゆるやかにつながる」という言葉はどうなのか子どもに聞くのもよいのではないか。
〇苫野構成員
 市民の皆様、先生、子どもたちとのワークショップに投げて、再び検討委員会に戻して議論してもよい。骨子 2については言葉を 2つ用意して改めて議論するということにする。
〇奈須構成員
 骨子4について、チャレンジするという言葉あるが、子どもたちが何事にも興味関心を持ってチャレンジすることができるように促す、環境を整備するなど、エンカレッジするのは大人の仕事という認識でよいか。
〇苫野構成員
 子どもが何事にもチャレンジしろということではなく、学校が応援するということである。
〇奈須構成員
 教師は、どのような教科、内容にも興味関心を持って取り組んでほしいと願うが、子どもにそれは可能なのか。それができることがよくて、それができないこと子どもは欠損なのかという話になるが、そうではない。何事にも興味関心を持ってやるということに関して、我々は狭く考えすぎてきたが、いろいろな題材に対して自分なりの追求や角度を探せることが大事である。探せることができるようにするためには、学校や教師が多様なあり方を示す、許容する、一人一人と相談して関わるなどするとよい。そのようなことを小中学校で経験すると、世の中に出たときに、やらないといけないこと、逃れられないことに対し、それは興味、関心が持てないということではなくて、そういうものでもきっと自分が興味を持てるいい角度があるかもしれないから探してみようということになる。
 興味関心を持ってチャレンジするイメージをしっかり考えて詰めていく必要があると思う。そうしないと興味関心を持ったふりをしなければいけなくなり、同調圧力になる。また、そういうことを実現するのが教師や学校の仕事であると思ってもいけない。何ごとにも興味をもってチャレンジするということが、平凡な意味だと不可能なことであるが現実には可能であるため市教委の中でしっかり議論して詰めていただくとありがたい。
〇事務局
 骨子 4は、子どもが見たときは子どもの目線、大人が見たときは大人の目線と、始めはどちらでも取れるようにと考えていた。それが原因で焦点が定まらない結果になってしまったため、どちらかに寄せた方がいいと思った。
〇奈須構成員
 学校園、教師がやることでよいが、どの骨子にも出ていないが、一番全ての前提になる子どもをどうとらえるかの子ども観がない。子どもは元々力を持っていると考えるのか、力を持っていないから力をつけさせるのかということで全く異なるものである。「学びのオーナーシップを子どもに委ね」というのは、委ねても全然大丈夫と思っているのと、本当は危なっかしいけれどちょっと委ねたほうがいいよねというのとでは全然違う。背景にあるものは既に共有されていると思うが、骨子でなくてもよいのでどこかでは明示する必要はある。
〇苫野構成員
 骨子 2は共有したい子ども観かもしれない。こんな子ども観を共有するとこんな学びが共有できる、学校園で大切にできるというように、もう少し筋が通るのではないかと思った。共有したい子ども観を骨子 2にしてはどうか。
〇久野構成員
 どこまでを提示して、どこから先を学校現場に委ねるかというところについては議論する場が必要と思った。目指したい子どもの姿はある意味学校現場で組み立ててもらうところまで踏み込みかけていたのかなという印象である。そこを控えることで、子ども観の共有理解という点は骨子の守備範囲の一つの例示になるのではないか。
 同じことは骨子 3でも考えていて、骨子 3は箱の中が、上の段と下の段で分かれているが、例えば自由進度学習は一つの有効な手段であり、学びの姿の例示につながるが、これをやっていればよいという括りにもなりかねないと考えた。
 ここまでを骨子の議論にして、ここから先は現場の実践なりに委ねるということも合わせて考えてはどうか。コンパスにある骨子 3の三つの○は大丈夫であると考える。
〇加藤構成員
 骨子 3の内容について具体的に書かれているが、こういった形で実現していく校種もあると思うが、具体例と示されると硬直化して現場では対応が分かりにくい場合もあると思う。こちらの具体的な説明にしては合わせて議論いただけるとありがたい。
〇苫野構成員
 骨子 3の具体的な説明の方はこれからもっと議論を踏まえて修正していきたい。
 コンパスの骨子 1から骨子 3の文言は一定の議論ができた。骨子 4については整理をし直した方がいいということであるため、奈須先生の発言を踏まえ、事務局やワーキンググループで文言調整をして検討会で議論したい。リード文の検討は次回に持ち越しでお願いしたい。

5 事務局からの連絡事項
 次回検討会議の時期等について伝達

6 閉会
 以上