授業公開 探究学習2023「わたしと地域社会 全校発表会」
12月18日(月)に、探究学習2023「わたしと地域社会 全校発表会」の授業公開が行われました。前津中学校では、令和3年度から異学年で構成する縦割りグループで探究学習に取り組んでいます。今年度は「社会と関りをもち、自分らしさや自分の生き方について考える」をテーマに、生徒一人一人が「課題解決を自分事にする」ことを目指して探究プログラムに取り組みました。
この日は、企業別に分かれた各グループの代表グループによる企画内容の発表が全校で行われました。それぞれの発表後には、他のグループの生徒が感想を発表したり、企画提案先の企業の方からフィードバックをいただいたりする時間がありました。
大須の街並みの景観を保つために瓦を利用することを考えたグループは「瓦は屋根に乗せるだけでなく、地面に並べるような使い方もあることを調べている中で知りました。瓦に大須商店街の地図をプリントして街に設置することで瓦の宣伝もできるだけでなく大須らしい取組になるのではないかと考えました」と発表。瓦の製造販売を手掛ける企業の社長さんから「大人が考えつかないような良いアイデアですし、素晴らしい社会貢献活動を考えていて驚きました。ぜひ一緒にやりませんか?」と、地域の課題解決と企業の持つ強みを結び付けた企画力を高く評価されていました。
減災のために非常用飲料水袋を改良することを考えたグループは「災害時の非常用飲料水袋がもっと普及するように、イラストを入れることやリュックにしやすいように紐を布にするなどの改良案を考えました。これらのアイデアを取り入れた非常用飲料水袋を地域の避難訓練で使っていただいて普及させたい」と発表。名古屋市上下水道局の方からは「皆さんの考えは災害に対する備えでは自助に当たります。地域の皆さんが自助の意識をもつことは大切なことで、こうした考え方を導くようなアイデアを出していただいたことをうれしく思います」と社会課題を自分事として捉えて考えられたアイデアを高く評価していました。
前津中学校では、この探究プログラムに限ることなく「みんなが楽しく学べる学校」をテーマに「学びのプラン」を設定し、全ての学びや経験がライフキャリアの形成につながると位置付けています。その実現のために「みとおす」「うみだす」「たしかめる」「ふみこむ」「むきあう」「やりぬく」「おもいやる」「かなえる」の8つの力を伸ばすことを意識できるようにしています。今回の探究学習においても、一人一人が8つの力を意識して課題と向き合い、地域や社会と関りをもち、異学年で構成されたチーム内で対話を繰り返しながら課題解決に取り組む姿から、未来の担い手となろうという気持ちが生徒達の中に育まれていることが感じられました。