探究学習を支えるキャリアサポーター
前津中学校の地域社会をフィールドとする探究学習では、学校に常駐するキャリアサポーターが学校と地域の企業・団体とをつなぐ役割を担っています。今年で2年目となる3学年合同のチームで進める探究学習を支えたキャリアサポーターの前田さんにお話を伺いました。
Q:今年度の探究学習を振り返ってみて、率直にどのように感じていらっしゃいますか?
A:約半年間の探究学習を通して、生徒間の信頼関係が高まったと感じています。また、「うまくできなかったら、勇気をもってまたゼロからやり直せば良い」という考え方を学ぶことができたと、多くの生徒が感想の中で書いていたのが印象的でした。これはキャリア教育の視点からもとても価値のある経験であり、良い機会になったと思っています。
Q:探究学習の授業では、先生方も生徒と一緒にのびのびと楽しそうに取り組まれているのが印象的でした。キャリアサポーターの立場で意識されたことなどがありましたら教えてください。
A:昨年の経験から、先生方も見通しを持てるようになり、力を抜いて取り組めていたことが大きいかと思います。いかに子どもの力を引き出すかについて週1回のミーティング(通称「Mの会」)で話し合い、先生間で「子どもに寄り添う」「教師が力を抜く」という方針の徹底と共有をきちんとできたことで、それぞれの先生が安心して取り組めることにつながったと思います。先生たちが考えて作ったと自信をもって言えるプログラムだからこそ、先生たちの充実感も高いですし、生徒も同じように充実感を味わえています。このような先生と生徒の良いサイクルが生まれた1年間になったと思います。
キャリアサポーターとして注力したのは、学校と企業・団体との程よい距離感を保つことです。授業についてよく知ってほしい、生徒と多くの接点を持ってほしいという思いと、企業・団体の方へご負担を掛け過ぎてはいけないという思いとのバランスに悩み気を付けるように心がけました。
探究学習の成果発表の日には、各教室を順番に回り、グループの発表を笑顔で見守る前田さんの姿が印象的でした。先生方からは「キャリアサポーターさんの存在は絶大です。感謝しかありません」「私たちの手の届かない部分をフォローしていただけるので安心して探究学習に取り組めました」「子どもに負けないくらい私たちも前田さんと一緒に探究学習をさせていただきました」と、たくさんの前田さんへの感謝の声が聞かれました。