吉根中学校 「子ども中心の学びを目指して」
1月31日に、すすめるプロジェクトの公開授業が行われました。吉根中学校では今年度の学校努力点に『「分かる」「できる」授業を目指して』を、サブテーマに「誰一人取り残さない、学び合い活動」を掲げて実践しています。この日、授業を公開した「保健体育科」「理科」「社会科」の各授業でも、生徒たちが生き生きと学び合う姿をたくさん見ることができました。また、吉根中学校では、「はっぴーふれあいタイム」(短時間グループアプローチ)により、生徒のコミュニケーション能力を高め、授業での学び合い活動にも生かすことができるようにしており、その様子も公開されました。
1年生の保健体育科「バスケットボール」の授業では、チームで作戦を立て、「良いプレー」と「そうではないプレー」の違いを整理し、グループでプレーの質の向上を目指していました。これまでの授業でも、タブレット端末を活用して「良いプレー」のイメージづくりを行ったり、自分自身のプレーを記録して見比べ合ったりしてきました。この日の授業の最後には、楽しさや理解度などの意識調査を行いました。生徒たちは、単元の4時間前に行った意識調査と見比べることで自分自身の成長や変化を確かめていました。授業者は、「プレーや意識など、生徒が違いをつかむにはタブレット端末はツールとして最適」と、授業にも積極的に活用しているとのことでした。
1年生の理科「地震」の授業では、生徒が主体となるよう授業をデザインされていました。前半は単元全体に関わる問いづくりを行い、後半は「震度とマグニチュードの違いを、小学生の弟にも分かるように説明しよう」という課題のもと、グループでの学び合い活動に取り組んでいました。授業者は、普段から生徒が話す時間が8割となるような学び合いを目指して取り組まれているそうです。この日も、グループごとに活発な学び合い活動が行われていました。継続的に取り組むことで、「分かる生徒が一方的に教える関係」ではなく、「困ったときに分からない生徒が教えてと言える関係」が築かれているとのことでした。
3年生の社会科「模擬裁判」の授業では、グループに分かれ、ロイロノートの共有ノートを活用しながら、被告人の有罪・無罪について話し合っていました。この授業は、「にじいろルーム(教室以外の居場所づくりの部屋)」ともオンライン(webカメラと双方向スピーカーホン)でつながっていました。「にじいろルーム」の生徒は、教室から「このことについてはどう思う?」と投げ掛けられた質問を考えるなど、グループでの話し合いに参加していました。この取組は、1年生の理科の授業でも取り入れられていて、「誰一人取り残さない学校づくり」に学校全体として取り組む姿勢が見られました。
吉根中学校では、先生たちがお互いの授業を見合う取組を、年間、一人一実践で進めています。先生たちが互いの授業を見合うことを大事にするために、Teamsで情報を共有して効率的に取り組めるように心掛けています。また、先生たちの学び合いも積極的に行い、外部から講師を招いて授業検討会を行ったり、ICT活用の自主研修会を行ったりしています。今回、多くの参観者が注目していた「にじいろルーム」と教室をつなぐwebカメラの活用方法も、先生のアイデアで生まれたものだそうです。「誰一人取り残さない学校づくり」「誰にとっても幸せな学校づくり」を実現しようという熱意が随所に感じられる公開授業でした。