NAGOYO School Innovation

名古屋市立幼稚園

活動の記録

好きなことが、どんどん溢れる!広がる!楽しい『きりん組パーク』

2022.10.25

 2021年度からはじまったマッチングプロジェクトが2年目を迎えた吹上幼稚園では、10月25日、5歳児(きりん組)の保育を公開しました。
 会場の入り口になっていた遊戯室には、とても大きな水族館があり、きれいな色のセロファンや折り紙、トイレットペーパーの芯やお菓子の箱を使って作られた、すごい数のキラキラした珍しい魚たちが泳いでいました(写真①)。

①色々な種類の魚が泳ぐ水族館

↑①色々な種類の魚が泳ぐ水族館

 側に立っていた園児が、タブレットに保存された魚の写真を見せながら、詳しく説明してくれます。彼は「毎日色々な魚を研究しているよ。」と教えてくれました。
 きりん組保育室へ入ると、段ボールで作った甲冑をかぶり、大きな紙の刀を持った園児たちが戦っていました。源氏と平氏の侍が船の上で合戦です。「壇ノ浦の戦いでね、最初は平氏が勝っていたけど、源氏が勝つんだよ」と嬉しそうに説明してくれています。その傍らで、戦いの様子をタブレットで撮影している園児がいました。3人で相談しながら撮影を行っています。
 レゴブロックで作ってある宇宙船ゾーンやお化け屋敷。電車や車や家が並ぶ小さな街やレストラン、動物園など、楽しい「きりん組パーク」が広がっていました。

「思ったこと感じたことを表現できる!共有できる!映画タイム」

 きりん組で映画の上映会が始まりました(写真②)。全員が椅子に座って、映画の上映を、いまかいまかとワクワクしながら待っているのが伝わってきます。

②映画タイムの様子

↑②映画タイムの様子

 上映順が決まったら、早速、先生から作品のカメラマンが呼ばれます。カメラマンは、特製の帽子をかぶってカチンコを鳴らし、マイクを持って自分の作った作品の見どころを紹介します(写真③)。

③監督帽子をかぶってカチンコを鳴らす園児

↑③監督帽子をかぶってカチンコを鳴らす園児

 映画は「戦国映画」「レゴシティ宇宙映画」「線路映画」「お化け映画」の予定でしたが、飛び入りで「恐竜映画」も公開。どれも1分くらいの短い映画です。
 みんなそろって「よーいスタート」の掛け声で映画が始まり、戦国映画を見ている園児から「強い強い」「かっこいい」「すごい」と、たくさんの感想が飛び交い、嬉しくなった出演者の幼児は「武器が進化した!」「盾をつくってみた!」などと説明し始めていました。1本の映画の公開が終わると、出演者全員が前に並び、みんなからたくさんの拍手をもらい、出演者はご自慢のポーズを披露。
 最後に、飛び入り参加した「恐竜映画」は、動画ではなく、子どもがタブレットを使って色んな角度から恐竜の写真を撮ったものを、担任の先生が即席で、スライドショーとして流したものでした。
 お菓子の箱などをたくさん使って一生けん命作った恐竜を友達から「かっこいい」「つよそう」「しっぽが長い」「恐竜(写真)が動いているみたいだね」などと言われて満足気な顔でした(写真④)。

④映像に出てきた恐竜の本物を披露

↑④映像に出てきた恐竜の本物を披露

「タブレットは子どもたちのつながりを深めるアイテム(担任の先生の思い)」

 飛び入り参加した園児は、普段とてもおとなしく、自分の思いを言葉で伝えることが苦手とのことですが、タブレットを使って好きなものを撮り、それを映像として流し仲間と共有することで、みんなに褒めてもらうことができました。

 担任の先生は「ストーリーがあるなしは関係なく写真をスライドショーで流すことで、彼の自己表現の場となり、認めてもらうことができる。」「友達と一緒に楽しみながらつくった作品を映像で発表することで、他の友達にも伝わりやすい。担任としても、子どもたちの姿を日常的に撮影し、記録しておくことで、園児たちが成長していることにも気付ける。」とおっしゃっていました。
 さらに、「大人が思う出来栄えや手早く答えを求めることを目指すのではなく、子ども一人一人の気付きから試行錯誤する過程を大切にして、必要に応じてタブレットを使用すること。タブレットに『遊ばれる』のではなく、『どう遊びを生み出すのか』が大事。園児にとって『視覚的な共有』という分かりやすさが、子どもたちのつながりを深めるアイテムになっている」と話していらっしゃいました。